一粒万倍日・天赦日とは?六曜との違いと、日の決まり方

カレンダーで「大安」と並んでよく見かける「一粒万倍日」「天赦日」。六曜の仲間のように見えますが、実はまったく別の系統の暦注です。それぞれのしくみを整理します。

一粒万倍日 — 始めたことが万倍に実る日

一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)は、「一粒の籾(もみ)をまけば万倍に実って返ってくる」という意味の吉日です。何かを始めるのに向く日とされ、開業・開店、財布の新調・使い始め、宝くじの購入、入籍などに人気があります。

一方で「万倍になる」のはよいことだけではない、という解釈から、借金やローンの契約、人から物を借りることは「苦労が万倍になる」として避ける習わしがあります。

日の決まり方は暦の「節月(せつげつ)」ごとに定められた干支の日で、たとえば立春からの節月では丑・午の日、次の節月では酉・寅の日、というように機械的に巡ってきます。このため月に4〜7回程度と比較的多く、吉日のなかでは「出会いやすい」日です。

天赦日 — 暦の上で最上の吉日

天赦日(てんしゃにち・てんしゃび)は「天がすべての罪を赦(ゆる)す日」とされ、暦注のなかで最上の吉日と位置づけられています。季節と日の干支の組み合わせ(春の戊寅、夏の甲午、秋の戊申、冬の甲子)で決まるため、年に5〜6回しかありません。何を始めてもよい日とされ、結婚・開業・引っ越しなど大きな節目に選ばれます。

六曜との関係 — 別系統なので普通に重なる

大安・仏滅などの六曜は、旧暦の月と日から決まる6日周期の暦注です。一粒万倍日・天赦日は干支に基づく別系統なので、同じ日に「大安×一粒万倍日」「天赦日×一粒万倍日」のような重なりが普通に起こります。こうした日は「最強開運日」などと呼ばれ、婚姻届の提出や財布の買い替えが集中します。

逆に、一粒万倍日が仏滅や不成就日(ふじょうじゅび:何事も成就しないとされる凶日)と重なることもあります。「吉が半減する」「凶が勝つ」など解釈は流派によってさまざまで、統一されたルールはありません。もともと科学的根拠のない験担ぎですから、重なりの解釈に悩むより、自分の都合のよい日を選ぶくらいの付き合い方が健全です。

暦注とのほどよい付き合い方

六曜も選日も、日付の吉凶に根拠があるわけではありません。ただ、「せっかくなら縁起のよい日に」という気持ちは行動のきっかけになりますし、記念日に物語を添えてくれます。予定に無理のない範囲で験担ぎとして楽しむ — それが暦注とのいちばんよい付き合い方です。

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