祥月命日と月命日の違い — 年忌法要の「回忌」の数え方

「命日」とひとことで言っても、年に1回の祥月命日と毎月の月命日があります。さらに年忌法要では「三回忌なのに2年後」という独特の数え方も登場します。混同しやすいポイントを、具体的な日付の例とともに整理しました。

祥月命日 — 年に1回、同じ月日

祥月命日(しょうつきめいにち)は、亡くなった月日と同じ月日のことです。たとえば7月15日に亡くなった方なら、毎年7月15日が祥月命日で、年に1回めぐってきます。「祥月」とは亡くなった月のことで、その月の命日という意味です。一周忌や三回忌などの年忌法要は、この祥月命日を基準に営みます。単に「命日」というときは、この祥月命日を指すことが多いです。

年忌法要にあたらない年の祥月命日も、お墓参りをする、仏壇に故人の好物を供える、僧侶に読経をお願いするなど、家庭ごとに供養の区切りとされています。

月命日 — 毎月1回、同じ日

月命日(つきめいにち)は、毎月の同じ「日」のことです。7月15日に亡くなった方なら、毎月15日が月命日で、祥月命日の月を除くと年に11回あります。月命日には特別な法要は行わず、お仏壇に花や好物を供える、お墓参りをするなど、家庭ごとのやり方で供養するのが一般的です。地域や宗派によっては、月命日に僧侶が檀家の家を回って読経する「月参り」の習慣が続いているところもあります。

なお、命日が29日・30日・31日の場合、その日が存在しない月があります。決まったルールはありませんが、その月の末日に読み替えるか、日にちにこだわらず月内の都合のよい日にお参りすれば十分とされています。

命日祥月命日月命日
7月15日毎年7月15日毎月15日(7月を除き年11回)
1月31日毎年1月31日毎月31日。31日がない月は末日(4月30日・2月28日など)に読み替えるのが一般的
2月29日毎年2月29日(平年は2月28日または3月1日に読み替え)毎月29日。2月は末日に読み替え

「三回忌が2年後」— 回忌の数え方

年忌法要で最も間違えやすいのが回忌の数え方です。回忌は亡くなった日を最初の忌日と数える「数え」方式です。「回忌」は「何回目の忌日か」という意味で、亡くなった当日が一回忌にあたるため、満1年の祥月命日は「二回忌」ではなく一周忌と呼び、満2年の祥月命日が3回目の忌日=三回忌になります。三回忌以降は「回忌の数−1」年後と覚えると簡単です。

なお「満1年」「満2年」は、民法143条の「暦に従って計算する」のと同じ考え方で、翌年の同じ月日をもって1年とします。命日が2月29日なら、平年は2月28日を祥月命日として扱うのが一般的です。

この数え方は、年齢の「数え年」と同じ発想です。数え年では生まれた年を1歳とし、正月ごとに1つ加えます。回忌もこれと同じで、亡くなった年を「1」と数えるため、満年数より常に1つ大きくなります。「一周忌」だけが「周」で数えるのは、満1年が「ひとめぐり」したという意味合いで、これが唯一の満年数表記です。

法要時期2024年7月15日が命日の場合備考
一周忌満1年2025年7月15日唯一「周忌」で数える。遺族・親族のほか友人も招くことが多い
三回忌満2年2026年7月15日ここから「数え」の回忌。規模を少しずつ縮小していく
七回忌満6年2030年7月15日遺族・親族のみで営むことが多い
十三回忌満12年2036年7月15日
十七回忌満16年2040年7月15日省略する家庭もある
二十三回忌満22年2046年7月15日省略する家庭もある
二十七回忌満26年2050年7月15日省略する家庭もある
三十三回忌満32年2056年7月15日「弔い上げ」として最後の年忌にすることが多い
五十回忌満49年2073年7月15日三十三回忌で弔い上げしなかった場合の大きな節目

弔い上げ(とむらいあげ)とは、年忌法要を締めくくる最後の法要のことです。どの回忌まで営むかは宗派・地域・家庭により異なります。二十五回忌を営み二十三・二十七回忌を省く地域もあります。

計算のコツは、「命日の年+(回忌の数−1)」が法要の年、と機械的に当てはめることです。2024年に亡くなった方の七回忌なら 2024+6=2030年、十三回忌なら 2024+12=2036年です。一周忌だけは「命日の年+1」です。案内状を書く前に、この式で年を確かめる習慣をつけると、親族間で「今年は何回忌か」の認識がずれるのを防げます。

法要の日程は「前倒し」が基本

年忌法要の当日(祥月命日)が平日の場合は、参列者が集まりやすいように命日より前の土日に繰り上げて営むのが一般的です。四十九日と同じく、命日より後に延ばすことは避けるならわしとされています。「供養が遅れることを避ける」という意味合いで、厳密な決まりではありませんが、多くの菩提寺がこの方針をとっています。

  1. 祥月命日の日付を確認する(上の式で「何回忌の年か」も確認)。
  2. その日が平日なら、直前の土曜・日曜を第一候補にする。祥月命日から1〜2か月前に繰り上げることも珍しくない。
  3. 菩提寺に候補日を伝え、僧侶の都合を確認する。お彼岸・お盆の時期は寺が多忙なので、早めに連絡する。
  4. 会場(自宅・寺・斎場)と会食の手配、案内状の発送。案内は法要の1か月前までが目安。

なお、法要の日取りに六曜(大安・仏滅など)は関係ありません。「友引に葬儀を避ける」慣習は火葬場の休業日と結びついたもので、法要にまでは及ばないのが一般的です。

複数の年忌が重なるとき — 併修(合斎)

同じ年に複数の故人の年忌が重なった場合は、まとめて営む併修(へいしゅう)、あるいは合斎(がっさい)という方法があります。たとえば父の七回忌と母の三回忌が同じ年にあたる場合、一度の法要で両方を営みます。参列者や僧侶の負担を減らせるため、近年はよく用いられています。

併修する場合の日取りは、命日が早いほうの故人に合わせるのが一般的です。一方で、一周忌は故人ごとに単独で営むべきとする考え方、亡くなって間もない方の法要を優先すべきとする考え方もあり、宗派や菩提寺によって方針が異なります。案内状には併修する法要をすべて明記し(「亡父 七回忌ならびに亡母 三回忌」など)、お布施も法要の数に応じて用意するのが丁寧とされています。

宗派・地域による違い

ここまでの内容は、日本の仏式の一般的な慣習に基づくものです。実際には、次のような違いがあります。

  • 宗派の考え方 — 浄土真宗では「追善供養」という考え方をとらず、法要は故人を偲び仏縁に触れる機会と位置づけます。回忌の数え方自体は共通ですが、法要の意味づけや作法は宗派により異なります。
  • 弔い上げの時期 — 三十三回忌が多いものの、五十回忌まで営む地域や、十七回忌で区切る家庭もあります。
  • 営む回忌の選び方 — 二十三回忌・二十七回忌を省く、二十五回忌を営むなど、地域によって年忌の並びが違います。
  • 神式・キリスト教式 — 神式では一年祭・三年祭・五年祭・十年祭と満年数で数え、「回忌」の数え方は使いません。キリスト教では命日に記念のミサや礼拝を行いますが、年忌という区切りはありません。

このように細部は家ごとに異なるため、迷ったときは各宗派・菩提寺の案内に従うのがいちばんの近道です。当サイトの四十九日・法要日の計算は、命日を入れると一般的な数え方で三十三回忌までの日付を一覧にします。菩提寺に相談する前の目安づくりに活用してください。

よくある質問

三回忌はなぜ亡くなって2年後なのですか?

回忌は亡くなった日を1回目の忌日と数える「数え」の方式だからです。亡くなった当日が一回忌、満1年の祥月命日が2回目の忌日(一周忌)、満2年の祥月命日が3回目の忌日(三回忌)にあたります。三回忌以降は「回忌の数から1を引いた年数」が経過した年の祥月命日と覚えると間違えません。

命日が31日なのに、その月に31日がありません。月命日はいつですか?

決まったルールはなく、その月の末日(30日や28日)に読み替えてお参りするのが一般的です。月命日は家庭内の供養の区切りなので、日にちに厳密にこだわる必要はありません。どうしても気になる場合は菩提寺に相談してください。

同じ年に父の七回忌と母の三回忌が重なります。まとめてもよいですか?

同じ年に複数の年忌が重なる場合、まとめて一度に営む「併修(合斎)」という方法があります。一般には命日の早いほうに合わせて営みますが、一周忌は単独で営むべきとする考え方もあります。可否や日取りは宗派や菩提寺の考え方によるので、事前に相談するのが確実です。

年忌法要は命日より後にずらしてもよいですか?

参列者の都合で平日を避ける場合、命日より前の土日に繰り上げるのが一般的で、後ろにずらすのは避けるならわしがあります。ただし、これは厳密な決まりではなく、やむを得ない事情があれば後日に営むこともあります。菩提寺と相談して決めてください。

参考資料・出典

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